2009.11.18 Wednesday
料理旅館「八景亭」 in 玄宮園/滋賀 湖東の旅 Vol.4
彦根城で歴史探訪を楽しんだあと、名勝「玄宮園」へ。天守の北東、中堀と内堀のあいだにしつらえた優美なお庭は、
近江八景を模した池泉回遊式の縮景園で、
4代藩主・井伊直興が1677年に造営したと伝えられています。

彦根城を借景とした大名庭園。
満々と湛えた水に、勇壮な天守と樹々の紅葉が写り込む様は圧巻。
実はこの日のお目当ては、
写真中央に見える、池畔に佇む茅葺き屋根の料理旅館「八景亭」へ行くこと。

築300年を誇る八景亭の玄関。
井伊家の下屋敷として建てられ、
城主が来賓をもてなし風流に遊んだとされる場所です。
昭和初期から料理旅館として運営されており、
1日2組しか宿泊できない湖東の希少な隠れ家。
こちらにて、近江のお料理をいただく。

前菜。
うなぎの南蛮漬け、鯉の卵子、むかごや銀杏・蓮根の素揚げ、
近江牛の胡麻だれ和えなど。
銀箔に縁取られたような純白の器が、潔くて美しい。
真紅のもみじが映えます。

お吸い物の椀。
山葵色や苔色、緋色など、菊の図柄を渋い伝統色で描きあげた椀は、
日本の秋がにおい立つような絢爛さ。
朱塗りの卓は、使い込むうちにこのような斑模様となったそうです。

こちらは炊き合わせの椀。
金地に白いお花が描かれています。
漆黒の塗り蓋つきで、茶道具の水指のよう。

うなぎの肝の天ぷら(中央の黒いやつ)を生まれて初めて食す。

琵琶湖といえば「鮎」。
たっぷりの卵をおなかにたたえた肉厚の塩焼き。
お皿の上で立ってます。
今にも泳ぎだしそう。
お料理もさることながら、先代たちが蒐集した器が素晴らしく、
目・舌・香りと、五感すべてをくすぐる近江の逸品たちを前に、
美の感性が華ひらくよう。
東近江にある祖母の家で川魚料理は何度も食べてますが、
このような席で本格的にいただくのは初めてです。

日付が変わりまして、朝食。
玄宮園を望む「松の間」にて。
川海老の煮付けやしじみのお味噌汁。
炊き合わせや出し巻きたまごなど。
池面では鴨たちがゆるゆると泳ぎ、
紅葉を垣間見ながら、まるで舟遊びを楽しむごとく、
風流で静かな秋の朝。
日々の仕事、雑事に追われ、
実に5年ぶりのプライベートな旅行。
大好きな近江路の歴史・文化・食にじっくりと触れ、
忘れていた心の洗濯を、キュッとしてまいりました。
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